待望の第一子、拓海くんがお腹にやってきてくれた。
産院で妊娠が発覚したのが、2021年8月28日。
出産予定日は、2022年5月1日。
定期的にある妊婦健診では、経過は順調そのものだった。
しかし、2022年3月8日の夜、産休に入るまであと少し、というところで、家の階段から落ち、腰を強打してしまった。
翌日は、仕事を休むことができず、そのまま仕事へ。
更にその翌日の、2022年3月10日、なんとなく胎動が少ないことが気になっていたことと、むくみも急激に酷くなっていた為、仕事を休んで受診することに。
いつもより長いエコーが終わり、赤ちゃんの心拍数などを調べるモニターでの計測が終わった後、再びエコー。
先生の説明は、
・へその緒の血流が途絶えているので、このままでは赤ちゃんが脳性麻痺になる。
・出産は、緊急帝王切開で、今日か明日。
とのこと。
地元の産婦人科には、NICU(新生児集中治療室)がない為、大きい病院に搬送されることに。
入院セットは準備してあったので、近くに住む母に病院まで持ってきてもらうことになった。
この時の週数は32週。
もともと入院セットは、産休に入ってからゆっくり準備しようと思っていた。
しかし、住んでいる市が開催していたパパママクラスで、30週を過ぎたら入院セットは準備しておくように、と教えられたことや、少し早めに出産となった友人の話などを聞いていた為、早めに準備は完了していたので、本当によかったと思った。
救急隊が到着し、大学病院に搬送後すぐに診察が開始されたが、やはり今日赤ちゃんを出したほうがいいとのことで、そのまま手術の準備が始まった。
麻酔科の先生達も、ずっと丁寧に話しかけてくれていて、麻酔が効いたと思ったら、もうお腹を切っているようで、びっくりした。
痛みはないけれど、途中、内臓をぐわんぐわんとかき回されているような感覚があった。
しばらくすると
「ほにゃあ~」
と、赤ちゃんの泣き声。
ほっとし、嬉しくなって、近くにいたスタッフに性別はどちらか聞くと、
「実は、どちらにもとれるような形をしていて、でも女の子ではなさそうという感じ。」
とのことだった。
衝撃の一言だったが、早産だから外性器がまだ未熟なまま出てきちゃったのかなと、この時はあまり深くは考えていなかった。
しばらくすると、看護師さんが、隣に赤ちゃんを連れてきてくれた。
目は閉じており、呼吸器のチューブや、それらを固定するテープがお顔についていましたが、ほっぺがクリームパンみたいで、可愛いお口は口角が上がっていて、笑っているようだった。
ほっぺにすりすりさせてもらった。
本当に可愛くて、やわらかくて、あの瞬間は、一生忘れられないと思う。
すぐに赤ちゃんは連れていかれてしまったが、危険なところを回避して生まれて来てくれたことに、喜びでいっぱいになった。
性別は、この時は確定していなかったが、私には、妊娠が発覚した時から、なんとなく男の子のような気がしていたので、普通に男の子が生まれたんだろうと思った。
これが、拓海くんとの出会い。
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